前頭葉の解剖

脳の解剖と機能について紹介します。

前頭葉の解剖

人間が人間たる所以

人間は社会に適応し、考え、成長し、今日まで生存競争に勝ち、生き抜いてきました。
今まさに行っている「考える」ことや「話す」、「感じる」ことも前頭葉の大きな機能です。

前頭葉の解剖


図は左が前頭葉外側面、右側が前頭葉内側面になります。

数字はブロードマンの脳地図(ブロードマン領野)で示される大脳皮質の解剖学・細胞構築学的区分の番号です。
下記に前頭葉の解剖学的名称と簡単に機能を記載します。

  • 4=”一次運動野”:随意運動の実行に関与
  • 6=”運動前野”、補足運動野:随意運動の企図(動作のプランを形成)、感覚情報と動作の連合、感覚情報から動作の選択と誘導
  • 8=”前頭眼野”:両側の眼球の随意的な運動のコントロール、where経路を形成
  • 9=”前頭前野背外側部”:情報の認識、計画、判断、予測などの高次脳機能に関与、上縦束で繊維連絡される。過去の経験に対するメタ認知判断(自分が認知(感じ、考え、判断、記憶)していることを客観的に認知すること)、where経路の形成
  • 10=”前頭極”:未知の出来事に関するメタ認知、空間及びワーキングメモリに関与
  • 11、12=”眼窩前頭野”:大脳辺縁系と連携し、情動面に関与。感情の抑制、周囲への配慮、他者の感情を読むなど
  • 24=”腹側前帯状皮質”:大脳辺縁系や運動野と連携、情動や感情に関わる運動の発現に関与
  • 31=”背側後帯状皮質”:行動モニタリング、報酬に基づく行動調節に関与
  • 32=”背側前帯状皮質”:行動モニタリング、報酬に基づく行動調節に関与
  • 33=”前帯状皮質の一部”:他者の感情など
  • 44=”下前頭回 弁蓋部”:三角部とともにブローカ野を形成。言語処理、音声言語の処理(言葉の生成)
  • 45=”下前頭回 三角部:弁蓋部とともにブローカ野を形成
  • 46=”前頭前野背外側部:空間及びワーキングメモリに関与、注意、遂行機能、計画性、判断性の低下

今後はこれらの情報も詳しく記載していきたいと思いますので、またぜひ御覧ください。