小脳の経路と核

脳の解剖と機能について紹介します。

小脳の経路と核

小脳は運動を繊細に制御するための中枢機関である!


小脳は脳全体の重量の約10%程しかありませんが、脳の全ニューロンの約50%以上を含んでいると言われています。
これらのニューロンは脳回の皮質の中と深部白質の中にある4つの核に存在しています。

小脳は運動を繊細に制御するための中枢機関で、多くの知覚系(前庭神経と固有知覚系)の情報や運動性の入力も受けるとされています。
小脳でこれらの情報を統合することで、協調的な動作が可能となっています。
ここでは小脳皮質への求心性のインパルスと小脳に存在する核の紹介とその機能について説明します。

小脳皮質への求心路

小脳への求心性インパルスは主に

  1. 同側の前庭神経核
  2. 同側の脊髄
  3. 対側の橋脳神経核
  4. 対側の延髄にあるオリーブ核複合体

からの入力を受けています。

小脳核

小脳には、

  1. 室頂核
  2. 球状核
  3. 栓状核
  4. 歯状核

の4つの核が存在します。

名称 位置 求心性線維 遠心性線維
室頂核 最も内側
第4脳室の天井
片葉小節葉(前庭小脳)のpurkinje細胞からの入力 前庭覚へ直接向かう(室頂延髄路)
対側小脳へ交差し網様体前庭核へ(鉤束)
球状核 室頂核の外側 傍虫部と虫部(脊髄小脳)からの入力 対側の赤核
栓状核 球状核の外側 同上 同上
歯状核 小脳半球深部白質の外側部 小脳半球(大脳小脳)
傍虫部皮質
上小脳脚を通り対側の赤核視床(視床外側腹側核)へ
視床から更にBrodmannの4野、6野へ

小脳のシナプス伝達は以下の様になっています。
小脳へとやってきた求心路は小脳皮質へ伝えられ、その後深部白質内小脳核へと向かう繊維と
側副路を介して直接、深部白質小脳核へと伝えられる経路に別れます。
小脳皮質からの経路では最終的にPurkinje細胞に達し、深部白質小脳核へ抑制性のGABA作動性インパルスを伝達します。
小脳核では小脳へ入ってきた求心路からの側副路を介する情報と、Purkinje細胞をからの修飾を受けた情報が統合され、
最終的な結果が遠心路となって視床などへ向かいます。

 

今回参考にした文献、書籍は以下の通りです。

これらは私がすごく愛用しているもので、絵もこれらのものを参考にさせていただいて書いています。ぜひ購入して一緒に勉強していきましょう!

 

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