脳画像の診方①

脳画像読影のための基礎
目次
脳画像の種類
脳画像診断に用いられるものには主にCTとMRIがあります。
CTもMRIも白黒の絵のようなもので集めた情報をもとにコンピューターが記載した絵なんです。
その中でもMRIは撮影方法によって様々な見え方をするため、特徴を把握する必要があります。
CTとMRIの違い
CT | MRI |
|
---|---|---|
色調 | 脳実質と比較して 低吸収域〜高吸収域と表現 | 脳実質と比較して 低信号域〜高信号域と表現 |
X線 | 磁気 |
|
長所 | 骨・石灰化が描出される X線のため磁性体の制限がない 救急対応しやすい | 放射線被曝がない 骨による影響が少ない 撮像(撮影)方法によってコントラストの変更が可能 撮影断面が変えられる |
短所 | 放射線被曝がある 骨のアーチファクト(歪みやノイズの意)が多い 撮像断面に制限がある 造影剤の使用量が多く、副作用もある。 超早期の脳梗塞や微小な血管病変の診断が困難 | 動きに弱く、撮影時間が長い 金属の持ち込みは禁忌 石灰化病変の診断は難しい 救急対応しにくい |
黒 | 低吸収域 | 低信号域 |
灰色 | 等吸収域 | 等信号域 |
白 | 高吸収域 | 高信号域 |
CTについて
白の異常(高吸収域 high density area)
- 急性期の出血〜時間経過に伴い徐々に淡くなっていく
- 石灰化〜正常な石灰化は脈絡叢(両側)、松果体、大脳鎌、基底核
黒の異常(low density area)
- CT上で急性期脳梗塞が低吸収域として現れるのは約6時間以上経過してからとなる。
- 2〜3週間経過すると梗塞巣は不明瞭となり、その後再び低吸収域として表現される。
- 脳浮腫、脳室など水のたまっている部分
MRIについて
FLAIR | 水を抑制したT2強調画像。 脳溝や脳室に接する部分や白質の病変の診断が可能。 脳室は黒く写る。 |
T1W1 (T1強調) | 解剖学的構造が見やすい。 形態異常を見つけやすい。 脂肪は高信号、水は低信号。 脳室は黒く写る。 |
T2WI (T2強調) | 多くの病変が白く映る。 病変を見つけやすい。 水を低信号、脂肪を高信号。 脳室は白く写る。 |
拡散強調画像(DWI) | 水分子の拡散運動を 画像化したもの。 超急性期の脳梗塞の 部位判定に有効。 |
拡散係数画像 (ADC) | 急性期の脳梗塞では低信号。 周囲の浮腫は高信号を示す。 |
以上CTとMRIの違いを記載してきました。
今回参考にした文献、書籍は以下の通りです。
これらは私がすごく愛用しているもので、絵もこれらのものを参考にさせていただいて書いています。ぜひ購入して一緒に勉強していきましょう!
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次回は各スライスについて説明していきたいと思いますので、ぜひご覧ください。