注意機能

「注意する」ということ
日々の臨床お疲れ様です。
本日は注意機能についてまとめました。
私たちの生活には常に刺激が溢れています。
例えば今僕の前にはPCがあって、その右隣にはマウス、左隣にはコップが置いてあります。
そしてその奥にはiPadがあったり、筆記用具があったりと様々なものが置いてあります。
自宅から出て外に一歩踏み出すと、そこには活気あふれる街並みやカレーの美味しそうな匂いがするなど、視覚、聴覚、嗅覚を通して、
絶え間なく色々な情報が入ってきます。またそれは外部からの情報だけでなく、自身の内部である固有感覚や内臓感覚からも入力されてきます。
私たち人間はこれら全ての情報を同時に知覚しているわけではありません。
Jamesは「心理学」にて「我々の生活において最も著しい事実の一つは、我々は瞬間ごとに全ての感覚面から生ずる多数の印象によって取り囲まれているにも関わらず、その中の非常に限られた部分にしか注意しないことである」と述べている。
これは人間は限られた対象にしか注意を向けられないということを指しており、私たちの注意機能には限界があることを指しています。
私たち人間は情報を処理する容量に制限があり、限られた対象にしか注意を向けられないのです。
注意と神経ネットワーク
様々な研究報告により、人間の各種機能に関与する神経ネットワークが明らかにされてきています。
注意機能は以下の主要な3つの神経ネットワークによって担われています。
またそれぞれの活動する部位は以下の通りです。
中央実行系ネットワーク(目標指向的な遂行機能に関与する)
後部頭頂葉、背外側前頭前野
○目的的な活動をする際に働く
○認知的処理を行う際に働く
背足注意ネットワーク:目標に対してトップダウン(能動的)に注意を向ける。
感覚運動ネットワーク:運動に伴う感覚運動に関与する
前頭ー頭頂ネットワーク:努力的な認知的処理に関与する
島皮質、前部帯状皮質○際立った刺激に反応する
○島皮質との関与により自律神経や内臓感覚からの顕著な刺激に反応する
○前注意的処理によって刺激を区別する腹側注意ネットワーク::急な刺激に対してボトムアップに反応する
辺縁系ネットワーク:情動の喚起、処理に関与する
後部帯状皮質、内側前頭前野、楔前部○内因性の注意に関与する
○自身の過去の記憶を想起したり、反省する、あるいは自身の将来のことを考えているときにも働く。
○外部に対する注意の一時的遮断や目的を伴う活動をしていないときに活動する。
上図のようにデフォルトモードネットワークと中央実行系ネットワークはどちらかが活動しているときはもう一方の活動が抑制されるように働きます。セイリエンスネットワークはデフォルトモードネットワークと中央実行系ネットワークの動的な切り替えに関与します。
例えば、ぼーっとしているときに誰かに声をかけられ、視線を移動しそちらに歩き始めるとします。
これはぼーっとしている時はデフォルトモードネットワークが活動しており、
誰かに声をかけられると急激な刺激に反応するセイリエンスネットワークが活動し、中央実行系ネットワークへと切り替えを行います。
今回参考にした文献、書籍は以下の通りです。
これらは私がすごく愛用しているもので、絵もこれらのものを参考にさせていただいて書いています。ぜひ購入して一緒に勉強していきましょう!