足関節 前距腓靭帯の損傷

脳の解剖と機能について紹介します。

足関節 前距腓靭帯の損傷

前距腓靭帯損傷

先日、バスケットボールをしている際に捻挫により前距腓靭帯損傷をされた患者様を担当しました。

前距腓靭帯損傷について改めて調べていきたいと思います。

原因

足関節の外側に付着する前距腓靭帯が内反捻挫によって引き伸ばされることによって損傷するケースが多い。

スポーツによる急性外傷としては最も頻度が高く、慢性化する場合が多く注意が必要となる。
アスリートで多いのは、他人の足の上に着地してしまい捻ってしまうケースや、急激に止まろうとした際に勢い余って足首をひねってしまうケースです。
外くるぶしの前後や下に痛みが生じ、腫れや内出血を生じる場合があります。

検査・診断

MRI検査や超音波検査を用いて診断される

理学所見

前方引き出しテスト

姿勢:仰向けもしくは座位

方法:検者は片方の手で下腿部を持ち、もう片方の手で踵を持ちます。そこから踵を持つ方の手を手前に引き出し、足関節の不安定性を確認します。
その際に足関節の外側に痛みがでたり、健側と比べて前方への動揺が大きいなど不安定性がある場合を陽性とする。⇨前距腓靭帯の損傷を疑う。

内反ストレステスト

姿勢:仰向けもしくは座位

方法:検者は足関節軽度底屈位で片方の手で下腿部を持ち、もう片方の手で踵を持ちます。
その際に足関節外側に痛みが出たり、健側と比べ不安定性がある場合を陽性とする。⇨踵腓靱帯の損傷を疑う。

分類

I度:前距腓靱帯の部分損傷 軽度の圧痛で歩行や軽いジョギング可能

II度:前距腓靱帯の完全損傷 装具やテーピングが必要

III度:前距腓靱帯・踵腓靱帯の完全損傷 歩行困難で固定が必要

リハビリテーション

 

急性期

(P)RICE療法により急性炎症の除去を図ることが多い。

足関節内反捻挫受傷後には、種々の組織損傷によって、 腫脹や熱感、疼痛などの炎症症状が生じます。

腫脹は受傷後 10 日以降から徐々に改善し、疼痛を有する患者は受傷後 2 週までに急減するとされています。

損傷による可動域や筋力の動向を追ったシステマティックレビューによると可動域や筋力の低下やバランス機能の低下も認められるとされており、損傷の程度や、損傷部位の評価が重要になります。

足関節以外の筋・関節機能の維持:ROMex、筋力強化ex、

安静・固定終了後

急性期には固定や免荷により足部へのストレスはなるべくないようにするため足関節の可動域低下や足部周囲の筋力低下、バランス機能の低下など様々な症状が起こり得ます。

足関節ROMex、筋力強化ex、関節モビライゼーション、バランストレーニング、ストレッチング、軟部組織モビライ ゼーション

起こり得る問題

股関節伸展の減少や膝関節屈曲の増加、足関節内反増加と底屈減少:固定や免荷による歩容の変化などが原因

足部の靭帯

足関節を支持する靭帯は大きく3つに分けられます。

  • 外側側副靭帯
  • 内側側副靱帯
  • 脛腓関節靱帯

前距腓靱帯はこのうち、外側側副靱帯に当たります。

外側側副靱帯

前距腓靱帯、踵腓靱帯、後距腓靱帯で構成される。

前距腓靱帯:関節包に隣接する4辺形の靭帯で、1〜3つの線維速により構成される。

踵腓靱帯:前距腓靭帯の下線維束の直下に位置し、後下方へ走行する。表層には腓骨筋腱が走行するため1cm程度露出する。

後距腓靱帯:強靭な台形の靭帯である。

 

 内側側副靱帯 (三角靱帯)

表そうと深層の2層構造で、6種類の繊維により構成される。脛舟靱帯、tibiospring ligament、後脛距靱帯深層線維、脛踵靱帯、前脛距靱帯、後脛距靱帯表層この中で、脛舟靱帯、tibiospring ligament、後脛距靱帯深層線維の存在率が高いと言われています。

脛腓関節靱帯

遠位の脛骨と腓骨を結合する靭帯は、前下脛腓靭帯、後下脛腓靭帯、骨間靭帯で構成される。

靭帯の機械的性質

靭帯は関節

・正常可動域

『距腿関節』

背屈:20°

底屈:45°

『距骨下関節』

回内:20°

回外:30°

外転:10°

内転:20°

 

 

 

今回参考にした文献、書籍は以下の通りです。

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