脳画像の同定 

脳の解剖と機能について紹介します。

脳画像の同定 

脳画像の同定

脳画像において脳部位を同定するためには,画像の中で何がどのように表現されているのかを知ることが重要です。

脳は立体である

脳は三次元の立体構造である。三次元の構造を二次元の画像で表現する際には「立体の断面図」の考え方が必要になります。

脳画像は、どの方向の断面か、どの部分の断面か、によって見える構造が異なります。

MRI では水平断,冠状断、矢状断の三方向で画像を得ることができる。X 線 CT でも、近年ではMRI と同様に三方向の画像を得られるようになっています。
いずれも空間図形で xyz の直交座標系を設定するのと同じである。

①水平断:上下の軸が前後方向(腹背方向)、左右の軸が左右方向となる。
②冠状断:上下の軸が上下方向(頭尾方向)、左右の軸が左右方向となる。
③矢状段:上下の軸が上下方向(頭尾方向)、左右の軸が前後方向(腹背方向)となる。

断面の方向と位置をイメージする


脳は断面の位置と方向によって描出される構造物が大きく異なります。

水平断の場合、例えば中心溝は上方の断面ほど同定しやすく、Broca 野(左下前頭回三角部・弁蓋部)や視床・基底核は中央の断面で、側頭葉先端部は下方の断面で,それぞれ描出されます。

また,海馬・扁桃体などの辺縁系や側頭葉の各脳回は冠状断で、帯状回や脳梁、脳幹の全体像は矢状断の中央付近で,それぞれ明瞭に描出されます。

水平断の脳画像の見かた

水平断における脳回、脳溝の同定では、側面像を意識した読影が有効です。

側面像で脳回,脳溝の名称を確認する

脳部位を表現する共通言語として、脳回および脳溝があります。これらの名称に通じていることは,脳部位を同定する際に強力な武器となる点です。日常的に脳画像に接する機会がある方々は、ぜひとも脳回・脳溝の名称を覚えておくことをお勧めします!

脳回・脳溝の名称を理解する際には、大脳の側面像が有用です。前頭葉や側頭葉では前後方向に走行する各脳回が上から下に並んでおり,また中心溝をはさんで中心前回・中心後回が相対しているなど、脳回の名称を視覚的に理解しやすいです。

頭頂葉でも頭頂間溝をはさんで,上頭頂小葉と下頭頂小葉(縁上回および角回)が相対しており、シルビウス裂の後端を囲むように縁上回が位置することも一目で理解できる。

側面像における「高さ」をイメージする

脳溝は脳の外側縁に近い場所ほど同定しやすく、先に述べたように、中心溝が上方の断面で同定しやすいこと,Broca 野が中央の断面で描出されること、側頭葉先端部が下方の断面で描出されます。また,Broca 野と Wernicke 野(左上側頭回後半部)が同じ断面で描出されることも確認できます。

水平断で脳溝・脳回がどのように表現されているかを確認する

水平断で脳回がどのように表現されているのかを確認することが重要です。

今回参考にした文献、書籍は以下の通りです。

これらは私がすごく愛用しているもので、絵もこれらのものを参考にさせていただいて書いています。ぜひ購入して一緒に勉強していきましょう!

 

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