肩関節 肩上方の痛み

脳の解剖と機能について紹介します。

肩関節 肩上方の痛み

肩上方の痛み

肩上方に加わる力学的ストレス

伸長ストレス

上肢を下垂している場合、肩関節には常に伸長ストレスが加わっています。

肩関節の内転運動では、肩甲上腕関節の上腕骨頭は下方に転がり、上方へ滑ります。そのため上腕骨頭の上方への滑りが生じずに、下方に吊り下がる場合、肩甲上腕骨の情報に伸長ストレスが加わります。

圧縮ストレス+剪断ストレス

上肢を挙上すると、肩関節の上方組織が肩峰の深層に入り込むことにより、圧縮ストレスが生じています。

さらに上肢を挙上位で大きく動かすことで圧縮ストレスに剪断ストレスが加わります。

どこが痛むか

1)棘上筋・棘下筋

 棘上筋
起始:肩甲骨棘上窩
停止:上腕骨大結節(superior facet(middle facet))
神経支配:肩甲上神経
作用:肩関節外転

 

棘下筋
起始:肩甲骨棘下窩
停止:上腕骨大結節(middle facet)
神経支配:肩甲上神経
作用:肩関節外旋


疼痛が発生する解剖学的要因

棘上筋、棘下筋の停止部はいくつかのバリエーションが存在すると言われています。

棘上筋・棘下筋をはじめとした腱板は、肩甲骨の関節窩に上腕骨頭を引きつける(求心位をとる)役目を果たしています。

肩関節の最終可動域では上・下関節上腕靭帯の緊張により安定性が保たれますが、中間可動域では腱板筋の張力による上腕骨頭と関節窩への圧迫により安定化が図られる必要があります。

肩関節運動時では中間可動域での安定化が必要で、そのためには腱板筋の役割が重要となります。

特に挙上した上肢をおろす際は棘上筋と棘下筋に遠心性の負荷が加わり、より強い牽引力が作用し、疼痛につながります。

疼痛誘発テスト

棘上筋

 Drop arm sign
検査肢位:検査者が被験者の肩関節を外転位で他動的に保持する。その状態から腕を保持するように指示し、被験者の腕を離す。
判定:外転位を保持できない。もしくは疼痛が生じた場合、陽性とする。
機能的意義:棘上筋が損傷していても、関節拘縮がなければ、他動的に外転することは可能です。そのため、自身で外転位を保持するためには、棘上筋により上腕骨頭を求心位に保持する必要があります。棘上筋の損傷がある場合、張力が低下し、外転位を保持できず、腕が下がってしまします。
注意点:Drop arm signは感度が低く、この検査が陰性だったとしても棘上筋が損傷している可能性は否定できない。一方特異度は高いため、検査が陽性の場合、棘上筋が損傷している可能性は高い。

 

empty can test
検査肢位:被験者には肩関節外転位・肘関節伸展・前腕回内位で保持させる。検査者は前腕遠位部で肩関節内転方向に抵抗を加える。
判定:疼痛が生じるか、肩関節外転位を保持できなければ、陽性。
機能的意義:前腕回内位にすることで、上腕二頭筋長頭腱の代償を抑えて検査を行うことができる。
注意点:三角筋の筋力が強い場合、疼痛が生じにくいが、感度が高い

 

 full can test
検査肢位:被験者には肩関節外転位・肘関節伸展位で、前腕回外位で保持させる。検査者は前腕遠位部で肩関節内転方向へ抵抗を加える。
判定:疼痛が生じるか、肩関節外転位を保持できなければ、陽性。
機能的意義:回外位にすることで、上腕二頭筋長頭腱が棘上筋の機能を補助できるため、empty can testに比べて疼痛が生じにくい。
注意点:上腕二頭筋による代償作用があるため、上腕二頭筋長頭腱炎があると陽性になることがあるため、鑑別が必要となる。

 

棘下筋

 external rotation lag sign
検査肢位:肩関節下垂位、肘関節90°屈曲位とする。この肢位から外旋運動を他動的に行う。次に再び開始肢位から肩関節外旋運動を自動運動で行う。
判定:自動運動で他動運動の可動域まで動かせなければ、陽性。
機能的意義:肩関節外旋運動に作用する筋は、棘下筋・小円筋である。棘下筋は小円筋より大きく、肩関節外旋により強く貢献していると考えられる。自動運動と他動運動の差はその可動域を動かす筋力の弱さにあります。
注意点:この検査の特異度は1.00であり、検査が陽性の場合は損傷があると考えていい。しかし感度は低く、損傷があっても陰性になる可能性があるため、エコーやMRIでの評価も重要となる。

 

今回参考にした文献、書籍は以下の通りです。

これらは私がすごく愛用しているもので、絵もこれらのものを参考にさせていただいて書いています。ぜひ購入して一緒に勉強していきましょう!

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