炎症とは何か〜炎症の症状や原因などを解説します〜

脳の解剖と機能について紹介します。

炎症とは何か〜炎症の症状や原因などを解説します〜

炎症とは

炎症とは、生体に侵入した異物を除去し、損傷を受けた自己組織を修復する一連の生体防御反応です。

 

炎症の原因

①病原微生物の感染(ウイルス、細菌、カビ、原虫、寄生虫など)

②物理的刺激(外傷、熱傷、切り傷、紫外線、放射線など)

③科学的刺激(酸とかアルカリ、オキシダントなど)

④アレルギー

(身体を守るはずの免疫が逆に不利に働く:喘息、蕁麻疹、アレルギー性鼻炎など)

 

 

炎症の5大兆候

  • 発赤
  • 熱感
  • 腫脹
  • 疼痛
  • 機能障害

 

炎症反応の過程

①局所の組織障害

上記に記した原因によって組織が障害されると、崩壊した細胞や血小板などから、ヒスタミンロイコ トリエンなどの化学伝達物質が放出され,炎症が引き起こされます。

②局所の循環障害と血漿タンパクの滲出,炎症細胞の浸潤

放出されたヒスタミンなどの化学伝達物質は、血管に作用して局所の血管壁の透過性を亢進させます。

そのため、血漿タンパクが滲出しやすくなり、局所への炎症細胞の浸潤を促します。

また、ロイコトリエンなどの化学伝達物質は、好中球などの遊走を促進します。

このように、化学伝達物質によって、好中球などの急性期の炎症細胞が炎症局所に集まり、これらの細胞から積極的に放出されるタンパク質分解酵素などによって、炎症はさらに増強されていきます。

③有害物質の除去と組織の修復

組織の障害が落ち着き、急性の炎症反応がある程度おさまると、残った有害物質や壊死に陥った組織を取り除く作業、また、欠損した組織をもとに戻す作業が行われます。

この作業は修復と呼ばれます。

リンパ 球は免疫反応を介して病原の排除にはたらきます。

好中球が処理できなかった病原体や壊死細胞は、マクロファージによって貪食されます。

また、欠損した組織は線維芽細胞によって作り出される膠原線維によって埋められ修復されます。

こうした一連の修復過程において、除去された老廃物を運搬するためや組織の修復に必要な材料を輸送するために、

豊富な毛細血管が構築されて肉芽組織と呼ばれる組織が形成されます。

組織の修復が進むにつれ、毛細血管は減少し膠原線維成分が増していきます。

このように、肉芽組織はやがて瘢痕組織と呼ばれる線維性組織に置き換えられていきます。

免疫細胞

1) T 細胞(T リンパ球)

骨髄の造血幹細胞から分化して T 細胞となります。T 細胞は主に細胞性免疫をつかさどり、結核菌・真菌の感染防御、ウイルス感染細胞やがん細胞の排除、移植片の拒絶などの役割を担っています。

2) B 細胞(B リンパ球)

直接骨髄 で成熟・分化してB 細胞となります。B 細胞は液性免疫を掌り、抗原の刺激を受けるとB 細胞は形質細胞とよばれる細胞へと分化し、抗原に対応した抗体を産生します。

3) ナチュラルキラー細胞(NK 細胞)

T 細胞にも B 細胞にも属さないリンパ球の一種で、自然免疫系の細胞です。がん細胞やウイルス感染細胞などを抗原非特異的に殺傷する能力を有しています。

4) マクロファージ(抗原提示細胞)

マクロファージは、活発な貪食能を有する細胞で、炎症局所で壊死組織や病原体などを貪食し処理します。

免疫反応においてマクロファージは、処理した抗原物質をT細胞に提示するという重要なはたらきをもっており抗原提示細胞とよばれます。

T細胞は、抗原提示細胞によって提示された抗原を認識することによって、免疫応答を開始します。

 

炎症の治療

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RICE

炎症の急性期治療は(P)RICEが有名です。

P:Protection 固定

R:Rest 安静

I :Icing 冷却

C:Compression 圧迫

E:Elevation 挙上

薬剤

「外用薬」「内服薬」「座薬」などがあり、痛みの強さなどで使い分けられます。

最もよく使われているのが、非ステロイド性消炎鎮痛薬です。炎症を抑える作用があり、症状を和らげることができます。

外用薬

その名の通り身体の外に貼付したり、塗付する薬を言います。

内服薬

服薬するお薬を言います。

副作用もあるので、近くのお医者様に処方していただいてから服用しましょう。