歩行トレーニング戦術

脳の解剖と機能について紹介します。

歩行トレーニング戦術

歩行トレーニングを行ううえでの戦術

歩行運動を再学習させる際に重要なのは、どのように結果の知識を与えるかである。

多くの運動は結果の知識をフィードバックしないと学習に伴う変化は生じず、反復して訓練を行うに伴いフィードバックされた点が改善されるように運動計画を変更していきます。

 

ここで大切なのはより早く、より正確に結果の知識を与えることです。

運動によって得られた結果(たとえば,ダーツで的にどれだけ近づいたか)をフィードバックするのではなく,運動の仕方そのもの(ダーツの投げ方)をフィードバックされた場合はどうなるだろうか、このようにして与えられるフィードバックはパフォーマンスの知識といい,この場合、学習に伴い運動の仕方が変化します。異常な運動が生じる脳卒中後片麻連者でさえ,パフォーマンスの知識が得られれば運動の仕方を変化させることができると言われています。

つまり,具体的に何を意識させるかは運動学習の重要なポイントになります。

顕在学習と潜在学習

顕在学習:意識的に行う学習

潜在学習:無意識的に行う学習(運動の仕方など)

外部の結果に注意を向けてフィードバックすることをexternal focus

運動の仕方に注意を向けてフィードバックすることをinternal focusと呼ぶ。

より効率良く運動学習を引き出すために、結果の知識を与えるのか、パフォーマンスの知識を与えるのかを決め、フィードバック方法を変更するのは理学療法士の大切なアプローチ方法といえますね。

結果の知識はexternal focusとしての視覚や聴覚などの感覚刺激により得られ、

パフォーマンスの知識はinternal focusとして体性感覚情報が関与します。

強化

学習を望ましい方向に生じさせるためには、得られた結果に応じて報酬や罰則などの強化を与えることが重要です。

学習に対する報酬や罰則は、主に大脳基底核が大きな役割を持つと言われています。

例えば、自分が何かの運動行動を起こした際に期待される報酬を予測したとします。

通常その後の結果に基づき,事前に予測された報酬の大きさと行動後に実際に得た報酬の大きさを比較するだろう..ここで行動の結果,予測された報酬より実際の報酬が小さければ、次に同じ行動をする場合の報酬の予測は小さくなり、反対に予測された報酬より実際の報酬が大きければ、次に同じ行動をする場合の報酬の予測は大きくなる。

実際の報酬と予測された報酬の差を報酬予測誤差といいます。

これは回数を重ねるごとに報酬予測誤差が徐々に低滅し、行動による正確な報酬を予測できる様になります。

この報酬の予測が、行動の価値を決定づけることになります。

この「行動の価値づけ」は大脳辺縁系(情動)に基づいて行われると考えられています。

したがって、学習させたい内容を効果的に強化させるためには、感情は重要な要素であり、特に運動学習においては強化が重要な意味をもちます。

たとえば報酬を与える運動学習課題の設定は、報酬を与えない場合や罰則を与える場合と比較して学習効果に違いはないが、効果が長期持続すると言われています。つまり運動学習を促す上で長期的な効果の持続を得るには、減点法ではなく、うまくいった場合に適切な報酬を与えることが重要なのです。

低減することになると言われています。泳げるようになるかどうかの自信は,これまでのさまざまな達成経

(難易度の高い設定)を与え,自己効力感の低い人には達成可能性の高い運動(難易度の

が,その効果が長期間保持されることが知られている),

動機づけ

学習するべき行動に対する動機づけも、学習を促す上で重要なポイントになります。

行動に対する動機づけはこの行動の価値とその行動を達成する可能性により決まると言われています。

行動の達成可能性の見積もりは、その行動に対する自己の能力に対する信頼感(自己効力感)が影響します。

たとえばサッカーの練習をする時の動機づけは、サッカーができるようになった時に予想される価値に影響されます。この場合、サッカーが上手くできるようになるとどんな良いことがあるかを具体的にイメージできるかが重要で、同時に自分がどのレベルまで求めるかという見積もりも影響する。

上手くなりたいとしても、自分が上手くなれる可能性は少ないと考えるようであれば、動機づけは低減します。

これを考えると、

患者様それぞれの性格に基づいて、

自己効力感の高い人には、難易度の高い(価値の高い)課題

自己効力感の低い人には難易度の低い(達成する可能性の高い)課題

を選択し、動機付けを与えることが動機づけを高めるために求められます。

指導方法

実際の歩行運動の指導を行うための重要な戦術的課題として、正しいパフォーマンスの知識を付与する技術が求められる。

一般的に運動学習の効果は,視覚や聴覚からの感覚刺激による結果の知識の付与により得られます。

その時に効果的な運動技術が獲得されるかどうかには潜在学習としての体性感覚情報によるパフォーマンスの知識が重要な意味をもつ。

効果的に体性感覚情報を与えるためには運動課題の難易度を適切に設定する必要があります。

例えば、歩行訓練を行う上で立脚機での荷重が上手く行かない場合は、ステップ訓練やその場での銃身移動から始めるなどし、自身の体の使い方を学習させていく必要があります。

低い難易度で実施することで、正しい運動が行われることで体性感覚情報が適切に得られる方向へ誘導していくことが重要になります。
今回参考にした文献、書籍は以下の通りです。

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