小脳脚を理解する! 経路と機能

脳の解剖と機能について紹介します。

小脳脚を理解する! 経路と機能

小脳脚

 

小脳梗塞や、小脳出血などの患者様の画像を見る際に非常に重要になるのが、小脳路です。

小脳路には

  • 上小脳脚
  • 中小脳脚
  • 下小脳脚

が存在し、それぞれ異なる求心性、延伸性の神経を投射しており、この鑑別を行うことが臨床での評価に非常に役に立ちます。

 

上小脳脚

上小脳脚は小脳から出る遠心性繊維のほとんどを含んでいます。
これらの線維は小脳核から出て

  • 対側の視床(視床外側腹側核(VL核)と正中中心核(CM核))
  • 対側の赤核
  • 網様体

へと向かいます。

『視床への遠心路』

上小脳脚から視床へ向かう繊維の大部分は歯状核から生じます。

経路は歯状核⇨視床⇨大脳皮質の運動野、運動前野へ向かいます。
次いで、ここからは逆に皮質橋路となり、橋の核への経路が向かいます。
このようにこの経路では大脳皮質から橋核へ向かい、小脳皮質、歯状核、視床、大脳皮質へと向かう規制回路が形成されています。

 

中小脳脚

中小脳脚はそのほとんどを求心路で形成しています。

『橋小脳路』

橋小脳路の線維は橋で交差した後、小脳半球へと向かいます。これらの神経は橋の神経核から由来しており、大脳から小脳へと向かう線維がシナプスを形成した後のものに相当しています。これらの繊維は大脳のすべての領域からきていますが、特に前頭葉からの繊維が多いのが特徴です。これらの線維は橋にある中継核からでた後に交差します。

『モノアミン作動性の縫線核からの求心路』

中小脳脚を通って小脳へ向かう。

 

 

下小脳脚

下小脳脚には以下の求心路が含まれます。

  • 前庭脊髄路
  • オリーブ小脳路
  • 後脊髄小脳路
  • 網様体脊髄路

下小脳脚からの遠心路は以下の通りです。

 

  • 室頂延髄路
  • 小脳網様体路
  • 小脳オリーブ路

 

 


 

 

 

今回参考にした文献、書籍は以下の通りです。

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